先日韓国旅行で、広蔵市場(クァンジャン市場|Gwangjang Market)の屋台を存分に楽しんできた。
メインの通りでは、どの屋台でもほぼ同じラインナップのお料理を出しているのに、人が入る店と入らない店がはっきり分かれている。
その違いはどこにあるのか。
実際に歩いて、座って、食べてみて気づいたポイント8つを、
「認知 → 興味・関心 → 比較・検討 → 購入」
の流れに分けてまとめた。
観光地や繁華街の飲食店・小売店でも、そのまま使える内容になっている。
今回、私が広蔵市場が体験したかったのは、
「活気のある市場の屋台に座って、地元の料理を食べる」
だった。
ワイワイした空気の中に入り、賑やかな活気の中で食べるサンナクチ(タコ)とトッポギは、どんな味なのだろう。
それを知りたかった。
最初に声をかけられて、ひとつの店に座った。
メインストリートにあり、料理も揃っている。
それでも、座った瞬間に違和感があった。
料理から香りや湯気を感じない。
トッポギの鍋は凪いでいて、火の気配が弱い。
お店の人も座っていて、手が止まっている。表情もあまり動かない。
「なんか嫌だな」
「ここでは目的の感情は感じられなそうだな」
そう思って、もう少し考えます、と席を立った。
その後、良いなと納得できるお店を見つけ、そこでお料理をいただいた。
目次
認知(まず視界に入る・気づく)
1.料理の温度感
トッポギやおでんはどの店にもある。
でも、火が止まっている鍋には惹かれない。
トッポギの赤いタレがボコボコと波を打って、しっかり湯気を立てている。
その状態を見るだけで、「ここに入りたい」と思う。
今回は、一番ボコボコしている鍋の店を選んだ。
2. お店の人の温度感
活気、笑顔、声、手の動き。
立って鍋をかき混ぜたり、手を動かしている人のところには、直感的に引き寄せられる。
逆に、座って暇そうにしている店には行く気がしなかった。
心が動かない。
また、ベテランそうなオモニの店に入りたかった。
堂々とした貫禄があって、手際よく料理をしていて活気を感じる人。そういう人のところに入りたくなる。
興味・関心(近づく・ちょっと見てみる)
3. 客引きの温度
客引きは面倒に感じることもあるが、この場所ではむしろ大事だと思った。
賑やかさを楽しみに来ているのだから、声をかけられること自体が体験になる。
見て回りたいから断ることはあっても、声はかけられたい。
元気に客引きをしている店には、活気がある。
最終的に私は、ひと通り見て回ったあと、声をかけられてメニューを渡されて、席についた。
声をかけられなかったら、ここは思ったより活気が無いと感じて、他のお店に入っていたと思う。
比較・検討(ここでいいか判断)
4. 清潔感(人、お店)
屋台は、鍋や調理器具がそのまま見える。
だからこそ、清潔感は重要になる。
メインストリートの店はどこもきれいだったが、少し外れると、明らかに差があった。
自炊していると分かるが、鍋はすぐ汚れて見た目が悪くなる。
だからこそ、きれいに手入れがされているかは、大事だと思った。
5. 新鮮さ(タコの水槽など)
サンナクチを食べるなら、水槽は大事だと思った。
生きたタコが見えること自体が、新鮮さのアピールになる。
たとえ、実際に出てくるタコがとても新鮮だったとしても、料理が運ばれてくるまで客には伝わらない。
でも、水槽があることで、「ここは新鮮そう」という判断ができる。
私は今回、水槽がある店を選んだ。
生きているタコを見ながら食べるライブ感、生命力があって、満足だった。
6.明瞭なメニュー
料理はいくらかお店に並んでいるので判断材料にはなるものの、メニューのラインナップが分からないと、人は躊躇する。
特に、サンナクチ(テナガダコの踊り食い)やユッケなど、店頭に並べられない冷蔵のものは分かりにくい。
- 遠くからでも見える分かりやすいメニュー(掲示)
- 客引き時に差し出すメニュー
- できれば英語表記や写真付きであること
- 人気メニューに印がついていること
- 注文方法(指差しOKなど)が分かること
- セットメニューが用意されていること
こういった要素はとても大事だと思った。
購入(最後の一歩)
7.明瞭な値段、決済方法
海外の屋台は、最初のハードルが高い。
- 値段が分からない。
- 決済方法が分からない(現金のみなのか、カードが使えるのか)。
分からないと、人はそのまま離れる。
分かるだけで、購入につながる。
遠くから見ても分かりやすい「現金のみ」などの明示や、決済アイコンがあると、外国人でも直感的に判断できる。
補足。購入後・リピート
8. おしゃべりなオモニ
メニューを指さしながら、お店の方に、
「サンナクチジュセヨ(サンナクチください)」
と言ったら、
「あらま!あなたジュセヨ言えるの〜!」
と韓国語で言われた。
「マシッソッソヨ(美味しかったです)」
と言うと、
「美味しかった?うちのお店がねぇ、一番美味しいのよ!」と、えへん、という感じで韓国語が返ってきた。
言葉ですべて理解できるわけではない。
でも、表情とジェスチャーと声で、ちゃんと伝わる。
言葉が一言一句通じなくても、気持ちは通じる。
さらっとしたやり取りよりも、こういうやり取りのほうが、「ここに入って良かった」と感じられた。
もし誰かに広蔵市場を案内することがあったら、ここが良かったと、自然に勧めると思う。
まとめ。日本のお店に当てはめるとどうなるか
お客さんが活気を求めて訪れるエリアのお店であれば、これらのポイントは屋台に限らない。
- 店員や料理に活気がない
- 温度感がない
- 利用方法が分かりにくい
そういう店には、入りにくさを感じる。
逆に、
- 店員に活気があり、手が動いている
- 料理に温度感がある
- 利用方法が分かりやすい
それだけで印象は変わり、店に入るお客様の数も変わる。
少しの違いの積み重ねで、結果は大きく変わる。
お店づくりの参考になれば嬉しい。




