パリオリンピックの開会式での演出。
首を切られたマリーアントワネットが、フランス革命の歌「サ・イラ」を歌っていて(自分の敵の歌)、なかなかシュールな絵面だった。
アートとしてはありだと思う。
「人間ってこんな残酷なんだよ。
死してなお、その亡骸を使われて、自分を殺した敵側の歌を歌わされるんだよ。
とんでもないことするんだよ。」
と。
人間の闇を表現している作品としては、それはそれで狂っていてかっこいいと思う。
血しぶきを表現するような、赤いテープもかっこいい。
でも、それをアンダーグラウンドな場とか、特定のバンドのライブでやるなら理解できるのだけれど。
世界的な、平和な、オリンピックという場でやるんかい、と。
賛否両論になるであろう、グロテスクで、ダークな演出をこんなオープンな場で、やるんかいと。
フランスの人は、この内容を公共の場でド派手にやることをアリだと思っているのか、と。
この演出にGOを出したフランスの人々に恐れおののいた。
自分とあまりにも感性が違いすぎる他人の存在に恐怖した。
人間ってこんなに違うんだ、と。
でも、気づいていないだけで、日本人同士でだって、そういうことは起きているんだ。
改めて、自分と他人は別の生き物なのだと痛感した出来事だった。